短編

□浮気疑惑
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犬夜叉は浮気なんてしない。

そう思いながらも、次第に手が汗ばんでくる。彼を信じきれていない自分にかごめは腹が立った。

信じよう、信じよう──しかしその想いは次の言葉で崩れ落ちることとなる。



「街のね、新しく建ったファッションビルだったと思うよ。」



かごめはハッとした。
昨日の自分達の会話を思い出す。




「今日は一緒に帰れねえ。ごめんな。」

「どこか寄ってくの?それなら私も一緒に・・・」


いつもなら寄り道だって一緒だった。
しかし昨日だけは違った。


「いや、お前は先帰ってろ。遅くなって親に心配かけさせたくねーし。」


珍しくかごめを一人で帰したのだ。優しく微笑まれ、犬夜叉は本当に自分の身を案じてくれているのだと思いかごめは頷いたのだが。



(あれは・・・嘘だったの?)


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