キリ番
□レッツ・ファッションショー
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嫌でも薄れていくその姿に犬夜叉は絶望した。そこでこうして無理やりにでも着させようとしているのだ。
「いーやー!」
「あの時は何のためらいもなかったじゃねえか!」
狭い小屋の中を走り回るかごめを再び壁へ追い詰める。赤い衣を広げ迫ってくる彼に対し、かごめは顔を青くした。
「あの時は必死だったから!
とにかくここから出して!」
小屋から抜け出せればなんとかなる、という考えは甘いかも知れないが、それでもここで勝算のない戦いを続けるよりはまし──
かごめのそんな考えを見抜いてか、犬夜叉はなかなか頷こうとはしない。
しかし良い案が浮かんだらしく、やがて嬉々として首を縦に振った。
「わかった。
じゃあ温泉行こうぜ。」
「下心丸見えよバカ。」
一言で彼の“服を盗んでイヤでも衣しか着れないようにしてやろう”作戦は散る。