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□セクハラ娘とハンター達
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※軽いキャラ崩壊あり、多少の下品な描写もあり
※何だかんだ愛され系夢主、逆ハー風味、しかし白黒無常贔屓です
※存在感やクールタイム無しで固有スキルや固有パークを使っている描写があります




全面的に拒否反応を見せる復讐者


暗号機を巡回しているレオを見つけるなり、ニッコニコの笑顔で彼の右腕へと飛びついた。


「パパーっ」


そのままスリっと頬を擦り寄せて笑うなり、レオはうげっ、とあからさまに嫌そうな顔をしてわたしの顔を押し返そうとする。でもそんな簡単に離せられるわたしじゃない。「いやんパパ、痛い〜」小さく首を振ってイヤイヤしながらレオの腕に絡みつく力を強くすると、ギチギチと嫌な音が鳴ってレオの方が顔を顰めた。語尾にハートがつきそうなくらいの甘い声でパパ〜、ともう一度囁いて頭上を見上げれば、レオがブルリと震えてげんなりした顔でわたしを見る。お前のパパになったつもりはない!レオの目がそう叫んでいたけどそんなの無視だ無視。

レオのサスペンダーをピチピチと指で弾くようにして遊んでから、ずりっと肩から降ろす悪戯をしていると鬱陶しそうに身を捩ってサスペンダーを元の位置へ戻す。そのままねっとりとした手付きで前腕を撫でると、レオは更にぞわああと悪寒を走らせながら本気で私を引き剥がそうとがっしりわたしの顔面を掴んだ。ので、そのまま舌を出してレロ、とレオの手の平を舐めてみる。少しだけしょっぱい。


「〜っ…!」

「あっ、」


さすがに耐え切れなくなったのか、瞬間移動特有の音を残してレオが目の前から居なくなった。まぁ、暗号機2個分って所かなぁ。移動先で早速エマちゃんを殴っているようなので、わたしも走ってその応援に向かう。頑張れ皆持ちこたえろ!わたしが今行くぞ〜っ。


わたしが辿り着くまでにピアソンさんがエマちゃんの肉壁になってくれていたようで、怪我人が増えていた。「お待たせ!」そう声をかけるとパペットを引き連れながら逃げ回っていたエマちゃんがパアッと笑顔でわたしに駆け寄る。控えめに言っても可愛い。でも止まると殴られてしまうエマちゃんは涙目のままわたしの横を通り過ぎて行ったので、まずはパペットを何とかしようとエマちゃんを追い掛けるパペットのストーカーを始めた。


「えーいっ」


もふっ、と後ろから勢いよくパペットに抱き着く。そしたらギピャア!とか耳が痛くなるような叫び声を発して苦しみだすのでギピャア?と首を傾げた。みるみるうちに崩れ落ちていくパペットに疑問符が増えてさすがにあれとなる。ちょっと、まだ解体してないんだけど。壊れるの早くない?ピアソンさんを追いかけ回していたレオも驚愕した顔でこっちを見ていた。信じられない、という焦り顔でもう1つパペットを出し始めたので、わたしももう一度近寄って今度は前からぎゅっ!とハグをしてあげる。

もふもふで程よい硬さのパペット、いつもだったらスリスリ擦り寄って背中を撫で回すのに、今日はそんな間も無くピギャア!とまた苦しそうに悲鳴を上げて壊れてしまうので呆気に取られた。ちょっと、わたしレオのパペットにまで嫌われてるって事?それはそれで傷つくなぁ。でもわたし以上に傷ついた顔をしたレオが2歩3歩と後退りをした後、がっくりと膝をついて嘆き始めたのでちょっと同情する。分かるよ、ただでさえパペットにまでイチャイチャべたべた、好奇心から服を脱がした挙句解体されるっていうオモチャ状態だったのに、今じゃあちょっと触れただけで全壊だもんね。

でもそれはそれ、これはこれ。レオも吹っ切れたように大きく唸りを上げて立ち上がるなりわたしから距離を取ろうと歩き出したので、わたしはまたニコニコ笑顔でパパ〜!とレオの元へ駆け寄った。ふふん、くるんとわたしに背を向けたのが運の尽きよ…!


「えへっ、つーかまえた、ってうわぁ!」


飛びついたレオがいつの間にか真っ黒になっていたので思わず声を上げる。今のはちょっとビックリした。このタイミングで分身を出すとは中々やるな。レオやパペットとはまた違うツルツルした感触の分身くんに頬を擦り寄せてみる。すると途端にぶんぶん身体を左右に捩って拒否反応を見せるので呆然とした。なんだよ、お前もわたしを嫌がるのか!レオはどれだけわたしが嫌いなんだ。


「はっ、ちょっと目を離した隙にエミリーちゃんがレオに殴られている…!」


分身から離れたら流石に殴られちゃうかなと思ったけど、分身は最早わたしの存在を見なかった事にしたらしくわたしとは真逆の方へと向かい出したので…うん、ちょっと複雑だけどまぁいいか。レオの分身よりレオ本体に殴られてしまう方が危うい。急いでエミリーちゃんの方へ駆け付けると、レオがまたげんなりとした顔でわたしを見てキョロキョロと辺りを見回した。どう見ても分身を探している。あいつは何してんだ!ってね、まぁそうなるよね。でもわなわなと震えるレオの表情は怒りというよりも悲しみの方が強いように見えた。


「ほら、ペットは飼い主に似るって言うじゃん。それだよそれ」


レオが次の攻撃を繰り出す前に、するりと腕を絡め取ってその手をさっさと塞いでしまう。性懲りもなくサスペンダーを引っ張って肩からずり下げるけど、レオはもう元に戻そうとはしなかった。「さぁパパ、今度こそわたしとデートの続きしよ?」カコンカコン。次々に暗号解読が終わっていく。みんなの体力もとっくに全回復していて、この状況を絶望的だと感じ取ったらしい。人差し指でクルクルとレオの素肌を撫でるとレオは諦めたように呻き声を上げて、こめかみに手を当てながら項垂れた。



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