ふざけた国と少女


□00.最後のピース
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 「00.最後のピース」
(She smiles kindly to know the end)
 
 
 
 
帽子をかぶった男が、

 「こんなくだらない世界。壊してしまってなんの支障が出るって言うんだ」


眼帯をした男が、

 「支障というか歪みだな。この後に世界がまた生まれてしまう可能性がある」


前髪の長い男が、

 「それでは意味がない。滅すのが目的なのだから」


赤い瞳の少年が、

 「そうそう。みんなに会えなくなるのは悲しいけどね」


青い瞳の少年が、

 「正確にはみんなの耳に触れられなくなるのが悲しいんだけど」


ネズミ耳を持った少年が、

 「それは、オレちょっと嬉しいかも・・・はっ!でも君に会えないのはヤ!!」


長い尾を持った少年が、

 「俺はお前の顔を見なくて済むの嬉しいけどな。でもこのままじゃ壊せないんだろう?」


可笑しな格好の男が、

 「うん。このままじゃ全員止まったところで世界は壊れない。足りないものがあるからね」


ウサギ耳を持った男が、

 「足りないものを埋めるにはやっぱり・・・」


剣を携えた男が、

 「当然。余所者だろうな。ソレがいる状態なら可能ということなのだろう?」


時計を握った少年が、

 「そうだね・・・けど今回僕達には足りないものが多すぎるから余所者も多くなるよ?」


トカゲの刺青を持った男が、

 「全部連れてきちゃえばいいんじゃないですか?少しずつその中から絞っていけば」


冠を被った女が、

 「帰りたい人は勝手に帰りますです。そうしましょう。貴方」


懐中時計を持った男が、

 「わかりました。僕がいない間、あまり無理をしないで下さいね・・・」



歪んだ世界を壊す為のたった一つの条件。それは
 『余所者であること』
それさえクリアしているならば、誰でも構わないとそう始めは全員が思っていたはずなのに・・・



悲しみの果ての少女が、

 「全部、夢だもの」



⇒END

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