捧げ物
□騎士はどうですか?
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〜バンエルティア号・ホール〜
「ル〜カ〜ちゃ〜ま〜♪ちょおっとこっちに来てくれないかしらぁ?」
イリアの声が聞こえた瞬間、ビクリと肩を震わせて、恐る恐る振り返る。
「な、何、イリア?また口調が違うよ……」
「いいからさっさと来なさい!」
「た、助けて〜っ!」
ガシッと襟首を掴まれ、ずるずると引きずられるようにして連行されて行った……。
「いつもの二人に戻ってよかったね、スパーダ」
「まあな。いつまでもあんなんだったら、俺の調子狂うし」
昨日、喧嘩してお互い口をきかなくなってしまったルカとイリアを仲直りさせようと、トアに協力を申し出てきた。
トアは『喧嘩はダメだよっ!僕で良かったら協力するよ』と心良く引き受けた。
スパーダの思惑通りに事は運べなかったが、結果的に仲直りさせることができた。
「スパーダって、二人の『いい兄貴』って感じだね」
「違ぇよ!あいつらはオレのダチだ。変な事言うなよな」
そう言い残し、スパーダは去っていった。
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