そよ風の子守歌
□再会
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――次の日
「コウ兄中々起きないなぁ」
昼になっても、コウは起きない。
リュウトは朝からコウの眠るベッドの横に椅子を置き、じっと見守っていた。
『当たり前よ。疲れが溜まってるんだから』
「?」
(……まっ、私達の声はリュウトには聞こえないのよね)
リュウトには、グレイシアが小さく鳴いたとしか『聞こえない』。
フィア達の声が聞けるのは、知る限りはコウしかいない。
フィアはふう、と息を吐き出した。
(……そういえば)
つい最近、『ポケモンの声翻訳機』なるものを作っていた気がする。
コウは機械などの発明が趣味だ。
昨日乗ってきたバイクだって、一からコウが組み立てて作ったのだ。
(ホント、すごいわよね)
今更ながら、コウの凄さに感嘆していたフィアだった。
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