そよ風の子守歌
□旅立ち
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――2時間後
シャドー襲撃からしばらく経って、レオンとフィアが目を開けた。
『……うぅ〜、痛いよぉ』
身体のあちこちが痛むのか、レオンは唸りながら傷を確かめていた。
『――ッ、コウっ!!』
対するフィアは、目の前で血を流して倒れているコウを見て焦っていた。
『わわっ、コウがやられるなんて珍しい。あいつらはそんなに強かったのかな?』
『呑気にそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?どうするのよ?誰か呼ばないと……』
コウの手当てをしようにも、レオンとフィアだけでは出来ない。
しかも、この島にはコウ達家族以外の人間は住んでいない。
『誰に頼れば……』
『それなら、“リツ”に頼もうよ。呼んでくるね〜』
『あっ、ちょっと!』
そのままレオンは研究所を飛び出していった。
『もう、あたしを置いていくなんて……』
いつもマイペースなあのレオンが全力ダッシュ。あれでも一応焦ってるんだな、とフィアは一人思っていた。
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