そよ風の子守歌
□再会
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日が暮れて夜になり、研究所に住んでいる人々が思い思いに過ごしている中、
ドタドタドタッ
慌ただしく大きな足音を立てながら、
茶髪の少年が、首に下げたゴーグルを揺らしながら通路を疾走していた。
「所長、母さん!」
一つの扉の前で急停止し、勢いよく開けた。
そこにはクレインとリリアがいたが、部屋の奥に意外な人物を見つけ、薄緑の目を見開いた。
「あっ。おかえり、リュウト」
「所長……どうしてコウ兄が?」
部屋に備え付けられているベッドの上には、昔から慕っていたコウが寝かされていた。
「ちょっと色々あってね……詳しく話すよ」
少年――リュウトに椅子を勧め、座ったのを確認した後、クレインはコウに起きた事を、ゆっくり話し始めた。
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