そよ風の子守歌

□シャドー幹部は幼女サマ
1ページ/11ページ




レオ達に別れを告げ、アゲトビレッジから割と近い所にあるということで、そのままここに来てしまった。




シャドーの研究所




昔シャドーが活動していた時に使用されていた拠点の一つだ。


バイクを離れた所に止め、建物に近づく。


レオが言うには、この中から人の気配がするということだったが……


「……うん。確かに気配を感じるね」


『しかも建物の周りには赤外線が張り巡らされてるし。誰かがいるのは確定ね』


建物周辺には赤外線が張ってあり、簡単に中に入れない様になっている。


「まっ、これくらいなら簡単に越えられるけどね……レオン、フィア、掴まって」


しゃがんだコウの背中に二匹が掴まったのを確認した後、そのまま赤外線を発している柱に近寄る。


そして、勢いよくかがんだ瞬間、思いっきり跳躍し、柱の頂点に手をついて軽々と赤外線を飛び越えた。


「ざっとこんなもん?」


振り返り、自らのパートナーに笑いかける。


『わぁ〜、すごいすごい!』


『やっぱりいつ見てもびっくりね』


コウは昔から、運動神経はかなり良い方だった。


それが、とある理由で限界を超えた運動神経となってしまった。


あの頃の事は思い出したくない。





『……コウ?』


「――あ、ごめん……正面突破でもいいんだけど、騒がれたら意味ないからね」


ゆっくりと、研究所を見上げた。


「きっと屋根に排気口があるはずだから、そこから入ろう」


さ、掴まって。と呼びかけ、端から全力で走り、再び大きく跳躍した。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ