そよ風の子守歌
□シャドー幹部は幼女サマ
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レオ達に別れを告げ、アゲトビレッジから割と近い所にあるということで、そのままここに来てしまった。
シャドーの研究所
昔シャドーが活動していた時に使用されていた拠点の一つだ。
バイクを離れた所に止め、建物に近づく。
レオが言うには、この中から人の気配がするということだったが……
「……うん。確かに気配を感じるね」
『しかも建物の周りには赤外線が張り巡らされてるし。誰かがいるのは確定ね』
建物周辺には赤外線が張ってあり、簡単に中に入れない様になっている。
「まっ、これくらいなら簡単に越えられるけどね……レオン、フィア、掴まって」
しゃがんだコウの背中に二匹が掴まったのを確認した後、そのまま赤外線を発している柱に近寄る。
そして、勢いよくかがんだ瞬間、思いっきり跳躍し、柱の頂点に手をついて軽々と赤外線を飛び越えた。
「ざっとこんなもん?」
振り返り、自らのパートナーに笑いかける。
『わぁ〜、すごいすごい!』
『やっぱりいつ見てもびっくりね』
コウは昔から、運動神経はかなり良い方だった。
それが、とある理由で限界を超えた運動神経となってしまった。
あの頃の事は思い出したくない。
『……コウ?』
「――あ、ごめん……正面突破でもいいんだけど、騒がれたら意味ないからね」
ゆっくりと、研究所を見上げた。
「きっと屋根に排気口があるはずだから、そこから入ろう」
さ、掴まって。と呼びかけ、端から全力で走り、再び大きく跳躍した。
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