青春真っ盛りなボクたち

□麦藁色をかぶった少年(前編)
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なぜだかあたしは夢を見た。
小さい頃の。

あたしのお母さんが、忙しいからって、悠太たちの家に2,3日泊まることになったとき。
たしか……――







「悠太、今日一緒に遊べないの?」

「悠太大丈夫?」

「大丈夫じゃないから、寝込んでるんです」

「祐希ちゃん、暁ちゃん、悠太ちゃんお熱があるの。ゆっくり寝かせてあげましょうね」

「「・・・うん」」


悠太たちのお母さんがそう言って子ども部屋を出て行く。

悠太はその日、風邪を引いた。


「・・・祐希、暁ね、おかし、ボクの分も食べていいから…」

「「うん」」

「・・・早いよ、返事が」


双子だからといって、同じときに風邪を引くわけでもなく、元気な祐希とあたしは公園に行ったんだ。


「暇だ・・・ね」

「ね。せっかく夏休みなのに・・・」

「ね」


祐希はシーソーに座ってぼっとしていた。
あたしはその横で立ちながら、ぼーっとする。
と、視界の端の祐希の体が、突然浮かび上がる。

シーソーの端を見ると、黄色い頭をした少年がいた。
シーソーに上って、こっちを見ながら口を開く。


「「!!?」」


少年の口からは、地球語なのかすらわからない言葉がでてきた。
祐希と二人驚く。
と、少年はあたしたちを見てジェスチャーをはじめた。


(シーソーを一緒に・・・やれと・・・?)


祐希と目が合う。
あたしは軽く頷く。

シーソーは動き出した。


 
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