KOH(KINGU of HETARE)
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「……はぁ!?」
「道で出会った他人が喧嘩を始めるのと友達同士が喧嘩をおっぱじめるのはずいぶん意味が違うでしょ?」
スッと構えた女の型は空手や拳法とは違う事が分かる。合気道に近いがどう見ても蹴りが来そうな構え。
「…確かに友人同士の喧嘩ってなら問題ねぇか。なら友人にサービスだ、使えよその長物」
「ああ竹刀だけど、使わない。竹刀を使うのはすぐに倒せるような相手にだけ使う。これは傷付けられたら堪らない…君みたいな苦戦しそうな人には使えない」
「………俺も脚を使うのは弱い奴にだけだ。脚はサッカーにとっての命だ。だから強い奴にはこのバットを使う」
「光栄だね」
今度はにっこりとではなく目を細めるように笑った。よく見たら美人だ。
こんなに楽しい喧嘩は久しぶりじゃないだろうか。
思わずクッと笑う。
「咲山修二だ」
「要戸誉だよ、よろしく」
「よろしく」
「――…とまあ、それから俺とあいつは3時間以上喧嘩をし続けた訳だ」
「うおー!2人ともかっけぇぇぇ!」