ワンだふる・でいず
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隼人はどうやら寝る時間が早いらしい。リビングに置いておいた彼の寝どこ入るとくるりと丸まってすぐに寝てしまった。夏樹はそんな彼の写真をとりニコニコとした後、まだ拗ねているような靖友のそばに座った。床に伸びている靖友の首に抱きつきながら自分も寝ころぶも靖友は珍しいくらい反応を示さない。
「不機嫌だね」
『あったりまえだろ!』
「唸っている」
『唸るよそりゃぁ。ここは夏樹チャンと俺の家だろぉ』
「うう…ごめんてダーリン。お肉貰ってくるから許してくれよぉ」
『ハニーはいっつもそう言ってご機嫌とろうとするんだ!でも可愛いィ…』
結局靖友はご主人様が大好きなのだ。首を抱かれたまま夏樹の頬を舐める。これが許したという合図として受け取った夏樹はまた柔らかいようで堅く、少しごわつくくらいの靖友の毛に顔をうずめた。
「やっぱり靖友が一番気持ちいいよ」
『ご機嫌取りが上手なこって』
「…あのね、靖友。隼人くんは確かに人見知りしない子だけど、私に会ったときね、甘えるみたいに鼻を鳴らして飛びついてきたの。そんなことする子じゃないんだって」
本当は飼い主もペットホテルを優先に考えていたのだが、その場を去ろうとする夏樹を追って主人の手綱を引き続け切なく高い声を上げ続けたのだそうだ。そうなれば犬好きの夏樹は飼い主に自分があずかれないか聞いててしまうのはもうどうしようもないことだったそうだ。飼い主は信頼ある作家なら、と喜んだくらいだ。
「とりあえずさ、あんまり邪険にしてあげないでよ」
『…考えとく』
「お願いね。 おやすみ」
『おやすみィ』
NEXT 2015.7.10
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隼人くんはゴールデンレトリバーのイメージです。大きいのがいい。可愛い可愛い可愛い。