KOH(KINGU of HETARE)
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「ほら高校生のお兄さん達。今の蹴り見たでしょう、くらったら死亡確定だから逃げて下さい」
「ひっ」
「うわぁぁ!」
「あ、おいてめぇら」
絡んできた男達は一目散に逃げる。それを見送り、代わりに女に目を向けた。女は俺の蹴りを受けても痛がるような素振りはない。何か入れているのか。
「せっかく舞い込んできたストレス発散道具が逃げちまっただろうが」
「あはは、ごめん。でもそのボストンバッグは部活に入ってるんでしょ?喧嘩はまずいよ」
そう言われ自分の制服を見る。制服を見れば一目で帝国生徒と分かるはずだ。しかも自分の人相には特徴がある。
確かに感謝すべきかもしれない。が、
「うるせぇよストレス発散道具探してんだからんなことどうでもいいんだよ糞アマァ…!」
「おお、どうやって召喚したのその鉄バット」
そう笑って女は肩にあった木刀か竹刀が入っているようにうかがえる長い袋をおろした。
そして女はやはりにっこりと笑った。
「ならストレス発散に“ケンカ”しよう。ただその前に“友達”になろうよ」