KOH(KINGU of HETARE)
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「(何となく、源田くんが私を見ている気がする)」
「お、おはよう要戸さん!」
「(…自意識過剰かな?)おはよう」
「(あう…要戸さんが見てる…)」
咲山に言われた“免疫作り”のために、源田にはいくつかの指令が出されていた。
自分より幾分も低い身長の彼女を盗み見ると、ちょうど彼女も自分を見上げた為に目が合って思わず目をそらしてしまった。
やってしまった、と後悔しても遅いだろうか。
「源田くん」
「あっごめん!」
「へ?えと、いや別に源田くん何も悪いことしてないんだから謝らないで。何か言いたそうだなぁって…違ったらごめんね」
そう申し訳なさそうに笑った誉に、源田の心臓がキュゥゥンと締め付けられる。
気づいてくれた、と。
「凄いな要戸さんは…何でもお見通しだ」
「(まああれだけ熱視線貰えば)」
誉がにっこりと笑うと、それに勇気づけられ源田が拳に力を入れて少し前のめりになる。
「実は、あの、要戸さんはいつもお昼どうしてるのかなって」