KOH(KINGU of HETARE)
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「佐久間くんも来てくれるんだ」
「おう。男2人のだみ声応援で悪いな」
佐久間がくくっと笑って冗談混じりに言う。確かに2人とも声は高くない。
その言葉に誉はにっこりと笑った。
「いや、2人が応援に来てくれるなら頑張るし、聴覚引き上げて絶対声聞くから」
「「はうぅ…!」」
「何だ、男2人が顔を赤くしながらしゃがんで」
「あ、鬼道くんおはよう」
「おはよう。また何かフェロモンを出したのか」
「ふぇろ…?」
顔を赤くして胸の辺りの服を握り締める源田と佐久間に、鬼道が苦笑した。
大方誉の何も考えていない男前発言にやられたのだろう、と鬼道も見当をつけた。
「あんまりウチの部員を誑かしてくれるなよ」
「誑かしてないよ、失礼な!」
「ちっ、違うんだ鬼道。誉さんは悪くない」
「知っている」
源田のフォローなどはじめから必要ないように鬼道が笑った。
「あまり呆けるなよ。今度の練習は地獄のようにきついぞ」
「ああ」
「分かってる」