KOH(KINGU of HETARE)


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源田はその日の朝鼻歌を歌いたい気分だった。(が、まだ誉に会っていないのでなんとか耐える事ができている。)
つい気合いを入れてお弁当を作ってしまい、いつの間にか重箱になっていたのだ。



「(誉さん、喜んでくれるかな)」



彼女の想像を超える量になっているかもしれないが、きっと怒ったりはしないだろう。
むしろ驚いた後には喜んでくれるはずだ。

朝のSHRを終えてすぐにA組に向かう源田の頭の中は誉の顔いっぱいだ。



鼻歌をギリギリ我慢してA組の教室の前の扉から入室する。誉の席が教室の前側だからだ。
入室すると、誉は教室の後ろ側を見ていた。



「っ誉さ………―――」



声を上げようとして彼女の表情が気になって止まる。誉の瞳は大きく開かれ、口元がニヤリとあがっていた。目は爛々としていて、“愉しげ”だ。

その視線の先には人だかりがあり、鬼道だろうかと思ったがその隣りの席らしい。
パッと見はフワフワとした雰囲気の可愛らしい女子だ。見覚えがない所を見ると、転校生だろう。



 
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