KOH(KINGU of HETARE)
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源田幸次郎は、あまりのストレスに先程部室のロッカーをボコボコに殴って潰した。誰も使っていない ロッカーだったため不都合は無かったが、いつも凛々しく男らしく穏やかなイメージを持つ源田のいつもと違う様子に部員達が萎縮してしまった。
ロッカーをボコボコにし終え息をきらした源田に、鬼道達が話しかける。
「だ、大丈夫か源田…」
「……………ああ」
「上條か…?」
「…………………ああ」
思い出して不愉快になったのか、またガンっとロッカーをへこませて椅子に座る。へたれている源田とは対極過ぎて信じられない。
さすがに心配になった佐久間が聞く。
「さ、最近要戸とどうだ…?」
「…誉さんとは、仲良くさせてもらってるけど…がっ…!」
ボコッ メキッ!
「おおお落ち着け!ロッカー貫いちまうぞ!?」
「ま、気持ちは分からなくもねぇよ」
意外にも、咲山がため息を吐いて腕を組み同意した。少し演技くさいくらいだったが、咲山がしているためかイヤミな雰囲気はない。
「上條のクソアマ、完全に誉を使って俺達に接触してきやがる」