KOH(KINGU of HETARE)
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「幸次郎くん…!嬉しい、来てくれたんだね」
机が小学生を彷彿するように向かい合い合わさっている。誉と姫花は向かい合って席に座っていたが、姫花は源田達が扉を開けて入室してきたのを見て立ち上がった。
そして冒頭のセリフを頬を赤らめて口にした。
「有人くんや次郎くんとお喋りしてると幸次郎くんいなくなっちゃうから…今日は嬉しい。修二くんもありがとう」
ニコッと、しかもちょっと目を潤ませている。のが、まあ本人の中の最上級に可愛らしい表情なのだろう。
「(おげぇ)」
咲山はマスクをしているのをいいことに舌を出して吐き気を逃がした。名前呼びなのも気にくわない。
そう思ったのは源田も同じらしい。親の仇のように姫花を見下していた。
読書していた誉も本から顔をあげる。みんなの顔を見てパッと表情を明るくする。
「やあ、みんな来てくれたのか。ありがとう」
「っ誉さん…!」
「親の仇から乙女…ブフゥ」
「笑ってやるなよ咲やブハッ」
「?? どうしたんだい修二、佐久間くん。座りなよ」