君が居る今、私の知らない過去


□暴力的な私、暴力の理由
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その日有紗のため息は深かった。昨日から居候になったフィディオに振り回されているのだ。



「(Tシャツに下着ってなんなの…)」



彼が言うにはイタリア人は裸で寝る人間が殆どで、自分もいつもはボクサーパンツだけだと言う。あまりに堂々とパンツ姿で歩かれるのは年頃の娘としては大変居心地悪い。

起床時にはわざわざ目覚まし時計と携帯のアラームを消して有紗のベッドに潜り込んで起こしにきたのだ。
そして家を出る際にもキスを強制された。断固拒否したが。



「イタリア怖い…」


「有紗ちゃんイタリアが怖いの?」


「おへ!?」



机についてから後ろに人がいるとは思っていなかった有紗の肩が跳ねる。



「おはようございます有紗ちゃん」


「………」


「有紗ちゃん?」


「(久遠冬花ちゃん…!?)」



フィディオ同様アニメの頃より成長している久遠冬花に有紗は目を見開いてからすぐに元の表情に戻す。

瞬時に理解する。イナズマイレブンGOでは看護師になっていたが、なるほどこの学校だったか。



「おはよう冬花。いや昨日からフィディオがうちに居候しててさ」


 
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