君が居る今、私の知らない過去
□パパラッチと広報部の仕事
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あの“看護学校フィディオ・アルデナ出没事件”(有紗命名)は金曜日のことであり、土曜日の昨日から有紗の携帯はサイレントマナーに設定されている。
「(今日も着信と受信メールの嵐だ)」
「どうしたの有紗。あ、今日の朝ご飯のハムが1枚少なかった事気にしてるの?」
「黙れ元凶」
1学年1クラスの看護学校とはいえ、人見知りがあり大人しい部類の有紗はクラスの半分ほどの人間としか仲がよくない。数にすると24人そこらか。
今メールしてきているのはその内20人ちょっとと、24人の中からアドレスを聞き出したのであろうあまり仲のよくない女子からのメールがきている。
そりゃあのフィディオ・アルデナが何故看護学校に来ていたのか、どんな関係なのか気にもなるか。
「仲のいい子から連絡が来てないってことは、あの子達は私がFFIでオルフェウスマネージャーだったって知ってるのか」
「つまりその頃には有紗の記憶があったんだね」
「あー、そうね」
フィディオの鋭い見解に、有紗は頷いて数人の友人の顔を思い浮かべる。
明日はその友人達に話しを聞いてみよう。