君が居る今、私の知らない過去


□送迎してくれる親友
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目が覚めると、目の前には綺麗な鎖骨が見え、腕枕と腰を抱くように腕があった。
すぐに親友と分かったが、頭に頬を当てられているらしく、うまく首が動かない。



「(男の人のベッドで一緒に寝てしまった…)」



ランニングにジャージパンツの彼は昨日の夜まで普通に隣に寝ていたのに、どうしてこんな体勢になったのだろうか。



「幸次郎、起きて幸次郎」


「……ん、んー…有紗…おはよ」


「はいおはよう。でさ、何でこうなった?」


「ん、あー、有紗が寝返りして俺の体に覆い被さったと思ったらまた寝返って床にダイブしようとしたから」


「…ごめん、ありがとう」


「ん」



またギューッと抱き締められた有紗は二度寝の予感がして、コラー。と首を振ってグリグリとした。そうすると源田が唸ってやっと有紗を解放した。



「うー…ん、よし。今日は俺が学校まで送ろう」


「いいの?」


「天気もいいしな」


「?」


「朝食もうちで食べてけ。ほら」


「む」



昨日のように抱き上げられて部屋まで運ばれる。



 
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