君が居る今、私の知らない過去
□同級の親友
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源田に学校まで送って貰った有紗は、バイクを降りる際に言われた源田からの激励を思い出し拳に力を入れて教室に入る。
教室の後ろ側、スライド式の戸を使ったのは別に怖じ気づいた訳じゃない。
入室するとまだ1時限まで20分あるため、学校の近い寮生はほとんどいない。ついホッとして机に行くと、有紗の後ろにまたスライド式の戸が開いた。
ただ有紗の時よりずっと大きな音を立てていた。
「有紗!」
「へい!?」」
椅子に座ってはいたものの、がたりと重心を後ろにした有紗は自分の名前を呼びながら走り寄ってくる女子生徒に目を見開く。
青い髪、女子にしては少し高めな身長、服の上からも分かるスタイルのよさ、つり気味の瞳ながら整う顔。
有紗の記憶にいるクラスメートではない。
「(ウルビダァァァ!?)」
「きいたぞ有紗!金曜日の夜にイタリアのアルデナが来たんだろう!?」
「(本名…え、本名れいな?玲名だった!?)えっと、玲名はそれどこで聞いたの?」
「今玄関で久遠に聞いた!すまない、金曜日は体調が悪くてな…くそ、やはり携帯を買うべきだろうか」