君が居る今、私の知らない過去


□記憶障害者
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案の定登校してきたクラスメート達に質問攻めにされた有紗だったが、玲名の綺麗な顔に睨まれたり、冬花のニコリと暗い瞳に微笑まれて彼女の苦手とする元気な(ギャル系とも言える)女子はそれ程五月蠅くなかった。
意外な事に、あの3人は寮でみんなに言ってはいないらしい。どうせ嘘なので寧ろふれまわってくれた方が楽なのに。と、有紗はクラスでもムードメーカーで誰とでも仲の良い女子を捕まえ、3人に話したような事を話す。



「えー、超ラッキーだったんだ。これ言っちゃっていいの?」


「言っちゃって言っちゃって。偶然のお遊びなのにみんな騒がしいからさ」



これで質問攻めは落ち着くか。と息を吐く。



「大丈夫か有紗?」



玲名が心配げに近寄る。手には有紗の弁当袋と自分の分であろう弁当袋が手にある。
後ろからトコトコとくる冬花の手にも同じく見える。



「2人共通生なんだ…」





「え?」


「あ」


「…今の発言はどういう事だ有紗」



 
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