君が居る今、私の知らない過去


□初恋の被害妄想癖
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※百合表現あり


有紗と出会ったのはこの看護学校に入学する1ヶ月前だった。ネオジャパンとして共に戦ったお日さま園のメンバーと源田達帝国のメンバーが久しぶりに顔合わせでお日さま園に訪れた時、有紗がいた。
瀬方と源田が連絡をしていたらお互いの身内に同じ学校に入学すると発覚し、連れてきたらしい。



「八神玲名だ。よろしく頼む」


「芦堵有紗、こちらこそよろしく」



別段可愛いとか美人とか容姿に優れた女子ではなかったが、言葉を交わすと何とも言えない感情を覚えた。騒がしくはない、しかし話せる有紗と私はすぐに友人となった。




有紗は自分は世界中の全員に嫌われている気がすると言った。好かれるなんてありえず、良くて好きでも嫌いでもないという感情しか持たれない気がすると、言った。
思わず何を。と言いかけて口を閉じた。目で分かる。これは本気だと。「そんなことはない」なんて同情の言葉を求めようなんてしておらず、ただ事実を述べただけだと、瞳の色が告げる。



「…私は」


「?」


「私は有紗が好きだ。信じて貰えなくてもな」


「……」



 
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