君が居る今、私の知らない過去


□風の速さで狂ってる
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「え、ジャンルカはゴンドリエーレになったの?」


「うん、ジャンルカはヴェネツィア出身だからね。昔からの夢を叶えたみたい」


「そう、なの」



鼻に強い印象を持っていた彼はサッカーではない道を選んだらしい。
それはそうか。誰しもがサッカー選手になるわけではない。中学の頃からプロフィールにボクサーや料理人や俳優を夢見たり、既にその頃からミュージシャンとして成功しているような人までいたのを思い出し、納得する。



「有紗ー、人呼んでもいいかい。有紗も知ってる人」


「ん、大丈夫だよ」



外食予定が、マルコとアンジェロが有紗の家に行きたいといい酒盛りを始めていた。フィディオが包丁仕事をしてくれるおかげでおつまみ作りには困らない。
今日明日は両親が帰って来ないため、気兼ねなく遊べる。

有紗に許可を得たマルコはすぐに携帯を開き、どこかに電話する。



「あ、もしもし」


「? 日本語」


「本当だ。じゃあ僕達も日本語にしようか」



アンジェロの提案にみんな頷くと、マルコが電話を切った。



「Egli venire presto!」


「来るのは日本人だろ。みんな日本語で話すよ」



 
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