君が居る今、私の知らない過去


□ティラミスとカモッラ
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「はあ?」



3週間の実習を終え、下級生の実習が始まりその間3週間学校で講義をうける。
試験があるわけでもないので、友人から借りたシリーズ物の小説を読んでいた有紗は唐突なフィディオの言葉に首を傾げた。



「ごめん、よく聞こえなかった」


「だからイタリアに行こう!」


「ああ、聞き間違いじゃなかったんだ」



まず、実習や試験がないとはいえ学校はある。国家試験対策の模擬だっていくつか入っているのだ。



「一昨日マルコ達が帰ったばっかりなのに何突然。それにフィディオもそろそろ帰らなきゃでしょ」


「だって有紗実習ないなんて今回くらいじゃないか」


「夏休みまで待ってよ」


「……2ヶ月も待てないよ!お願い!チケット買っちゃったし!」


「はぁ!?」



つまり、拒否権が無いと言いたいのか。冗談じゃないぞと有紗はスケジュール帳を開く。



「…期間は」


「明後日から1週間☆」


「なるほど、馬鹿なの?」



酷い!とギャンギャン喚くフィディオに顔を歪め、有紗はもう一度スケジュール帳を見てため息を吐いた。












「冗談でしょ」


 
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