君が居る今、私の知らない過去


□お父さんとお母さん
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「ただいまアニータ!有紗はもう来たのか!?」


「お帰りなさいハニー。ええ、来てるわよ。すっごくキュートになってたわ」


「今どこにいるんだい?」


「フィディオとキッチンにいるわ。久しぶりの息子にも……ってあら?」








「有紗!」


「え?うわぁ!?」


「! ああ、おかえり」



料理中後ろから抱き締められた有紗は手にあった木ベラ落としかけた。
抱きしめた人物を見るため振り返る。ある程度予想はしていたが。

振り返ると、さらに年を重ねたフィディオがそこにいた。



「……?」


「有紗、父さんだよ」


「と…!?」



どう見ても30代前半。いや、20代後半でも通用する若さだ。東洋人は若く見えると言うがイタリア人でそれが通用するのか。話しに聞いたら2人とも45歳だというが。



「会いたかったよ有紗。連絡を貰ってから3日、どれほど長く感じたか!」


「ほわぁぁぁぁ!?」



腰の辺りを持たれてクルクルと回った有紗は目が回るやら恥ずかしいやらで肩を縮こめた。



 
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