君が居る今、私の知らない過去
□望めば叶う絶対避けたい事
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宿泊先については今日はアルデナ家に泊まり、明日からはフィディオの家に泊まる事が決まった。
「こんな話しに40分も…本当に馬鹿か」
「何言ってるんだよ有紗。これはアルデナ家の最優先事項、有紗に関わる事だよ!」
「大丈夫なのアルデナ家。心配になる」
「心配されたよ父さん」
「有紗に心配されちゃったよアニータ」
「やったわね!」
「もー…やだぁこの家」
有紗はうなだれながらキッチンのオーブンに向かう。ケークサレは既に焼き色がつき、漏れる香りも食欲を誘う。
「あと15分でサラダとスープでも作りますか」
「有紗!有紗のアスパラスープが飲みたい」
「また簡単なスープだねおじさん」
「あのベーコンのコクが好きなんだよ」
「じゃあ俺はささみとモッツァレラチーズの入ったサラダがいいな」
「キャベツとブロッコリーを煮るからフィディオ手伝って」
「はーい」
「アスパラのハカマとって、ベーコンも切って」
フィディオはもう1度エプロンをつけてキッチンに立つ。