君が居る今、私の知らない過去


□冷笑を受ける大和撫子について
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「ああ!有紗素敵だわ!さすが有紗っ、さすが私!」


「………」


「有紗!こっちむいて笑って。写真撮るから」


「有紗!俺撮るからツーショットしよ!ね、待ち受けにするから」


「……やめてよみんな。受付のお姉さんが困ってるから」



パーティーにはアルデナ家4人でやってきた。フィディオとリベルトの連れてくる家族がかぶるのだから当然のメンバーだ。

フィディオとリベルトはカジュアルなジャケットだった。そのジャケットはアニータのブランドだが、今回それは特に目立たない。アニータ自身の腰まで開いたドレスも美しかったが、注目を浴びたのは彼女がデザインした初の着物だ。

鮮やかな藍色に、ピンクではなく白い桜の花びらに白い波がある。和深に、日本の花は桜よ!と言われた事があったらしい。
髪は簪で器用に結われ、パーティー会場で和装の人などいない。



「う、浮いてない?」


「可愛い!」


「答えになってない…!」



フィディオは始終興奮気味で、こちらがどんな風に感じているか分かっていない。


 
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