愛し愛され腐っていく
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「黒子っちー!今のシュートなかなかじゃなかったスか!?」
シュートを決めると犬のように黒子に走り寄る黄瀬は、寄られた黒子が多少めんどくさそうな表情をしても知らぬようだ。
「我ながら見事だったと思うんスよ!」
「すみません、自分の練習に必死で見てませんでした」
「えー!?じゃあ青峰っち!どうだったっスか?なかなかだったスよね!」
「わり、見てなかったわ」
「ひっひどい!」
酷い、冷たい、ちょっと位と文句を言う黄瀬に黒子と青峰の2人がまた練習を再開する。
その様子を遠くから見つめ、仁絵は自分の体を抱くようにして自分の体の震えを抑えるのに必死だった。
「(黄瀬総受け万歳ぃぃぃぃ!)」
全身を駆け抜ける“萌え”の衝動を抑えんがための行動である。
「(いや、もしかして展開としては黄黒、青黄、そして帰宅後に『黄瀬なんか見んじゃねーぞ』とか言って青黒…最高じゃねーの!)」
仁絵が萌えを押さえ込むのに必死な中、黄瀬がまたシュートを美しく決める。
「へぇ、まあまあだな」
「そうですね。ここ最近はまた腕に磨きがかかってます」
「黒子っち…青峰っち…!」
「(ひぎゃぁぁぁぁ!もう結婚しろよばかぁぁぁ!!)」
帝光学園2年、白樺仁絵は自他共に認める腐女子である。