愛し愛され腐っていく
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スーパーの袋の中には紫原の好きなまいう棒が大量に入っていた。しかも明日発売の新作味があるのだ。
それにより紫原の瞳はキラキラと輝く。
「まいう棒のゆず七味味だー。これ明日発売なのに何で仁絵ちん持ってんのー?」
「近くのスーパーのお兄さんが仲良くしてくれててね、朝あいさつしたらくれたんだ」
「(…“お兄さん”ねえ…)ありがとー仁絵ちん」
「うおぅ」
抱きしめる、と言うより寄りかかるような勢いと威力で自分を覆った紫原に仁絵は片足を後退させ踏ん張る。
仁絵は中学2年生ながら身長はそこそこある。小学生の頃に成長期を迎え、平均女子よりひょっこり高いのだ。そうでも無ければ2m近い巨体を支えられない。
サクッサクッ
「あ、うまー。当たりだわこれ」
「そこで食べ始めないでっ、あ、ヤバい腰がキツい…!」
仁絵の腰が悲鳴をあげる寸前で紫原からかかっていた体重が無くなる。
どうやら赤司が紫原を離してくれたらしい。
「いい加減離れろ敦」
「えー、赤ちんのケチー」
「ケチじゃない。あんまり酷いとおやつ禁止令をだすぞ」
「ぶー」