愛し愛され腐っていく
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「集合に10分も遅れてきてしかも女連れとは何事だかっぴくぞこらぁぁぁ!」
「落ち着け宮地」
「しかも可愛いじゃねぇかちくしょぉぉぉ!」
「僻みじゃねぇかよ!落ち着けって!」
緑間と高尾、そして仁絵は集合時間より10分遅れで練習試合のある体育館前に到着した。
当たり前に宮地がキレているわけだが、キレ方が若干僻みっぽいため部員全員で止めに入ってくれている。はじめこそ一緒にキレかけていた大坪もだ。
仁絵はイケメンながらもマジギレ(のわりに表情は笑顔)な宮地に多少びくついていた。
「あー、仁絵ちゃん大丈夫だよ。あの人はいつもあんな感じだし」
「いつもですか…」
「で、彼女は誰なんだ?」
中谷監督は仁絵をマジマジと見てから首を傾げた。
「君、どっかで会ったかな…見たような、見ないような…」
「きっと帝光とどこかの試合の際にベンチ居たのを見たのではないですか」
「! なんだ、彼女は帝光バスケ部のマネージャーか」
大坪が納得して頷いたが、正確には仁絵はどの部活にも所属していた訳ではないがどの部にも求められた人材だ。