Tellus
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「お母さん!!」
「母さん!」
「っリュウジ!治!」
琴恵は久しぶりに再会した緑川と佐木沼、今はレーゼとデザームと呼ばれる少年を抱きしめた。そしてハッとして2人の顔を見る。
「あなた達、免疫が…?」
「…っうん。でも俺達は2時間しか会えないんだ。そうじゃないと感染率があがるって…」
「だが2時間なら感染はないから!」
「そう……でも嬉しいわ。リュウジ達の話しを聞かせて」
「うん!あのね…―――」
「母さんに会ってきたんだってな」
「……晴矢、風介」
母と久しぶりの再開を果たしたレーゼは、偶然にも施設内を歩くバーンとガゼルに出くわした。普段“人間”の時はポニーテールだが“宇宙人”の時は髪をワカックスで上げている。
が、今はまだ髪をポニーテールにしたままだ。
「はあ?バーン様だろうが」
「あ…も、申し訳ありません!」
抜かった。バーンは軽く眉間にシワを寄せたが、ガゼルはレーゼの髪を見ていた。
「仕方ないよバーン。レーゼは今髪を上げていない。スイッチが入ってないんだ」