短編集T

□まいった
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朝食の片付けを終え、一服している時……。

(おれってマリモに負けてる…?)

ふと、サンジは思った。
一度考え出すと止まらない…。

(あいつは確か、おれより1cm身長が高い…。
酒の飲み比べではマリモがダントツだ。
懸賞金はおれよりずっと前から付いていたし、
金額も…あいつは今や1億を越えてやがる。
…というより、手配書の顔写真が
“絵”って時点でおれ終わってねェ?)

自ら“手配書”という地雷を踏んでしまい、サンジはず〜んとうなだれた。

(…………待てよ?おれ、マリモに勝ってるじゃん!)

サンジ、ポジティブシンキング発動。

(身長は1cm差でも、足はおれのが絶対長い!!
ファッションセンスがあの腹巻野郎に負けてる筈がないし…
レディへの振る舞いだっておれの右に出る奴はいない!)

さっきまでの落ち込みようは、どこへやら…。

(でもなぁ…。)

フーと白い煙を吐き出す。

(そもそもおれとマリモじゃタイプが全然違う。
それに…誰にでも出来る事と出来ない事がある。
だから人と比べる事自体が間違いだとは分かってる…。
分かってるんだが……………………………………。)

「…よし!」

サンジは小さく意気込むと、キッチンを後にした。






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