MUGIWARA

□ドロップな気持ち
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「お願いね、カモメさん…。」

どんなに時間がかかっても、どうか―――。























******


「…誕生日おめでとう。ウソップ。」


「は…?」

今8月末なんですが…?


約5ヶ月前の4月1日、盛大に誕生日を祝ってもらったウソップ。

だが、突然ウソップ工場本部にやって来たかと思うと、
突拍子もない事を言われ…思わずポカンと口を開ける。


「……何言ってんだナミ…。頭大丈夫か??」


ゴツンッ!!


「い゛ッでぇ〜!!冗談に決まってるだろ…。
でもホント…今更何言ってんだ?」


全くもってナミの意図が見えず、
ウソップはゲンコツの痛みに耐えながら問う。
するとナミは、ニヤリと笑って
スッと何かをウソップの目の前に差し出した。


「…っ、これ……。」


目を見開いて絶句するウソップに、ナミは更にニヤニヤと…
だけど心の底では“良かったわね”と温かい気持ちになりながら、


「そ♪さっき…あんたの大事な人から届いたの。はい!」


よく知った懐かしい名前の書かれた、
色とりどりなドロップ柄の可愛らしい封筒を手渡した。


「……な…んで…?だってここ…船の上だろ?!」


ウソップは信じられないといった面持ちで封筒を眺める。

そう、海を自由に渡る船には住所なんて存在しないのだから、
特定の相手に手紙が届くなど普通では考えられない事なのだ。

実際ウソップが受け取った封筒には宛先が書いてある筈もなく、
『ウソップさんへ』『カヤ』と2つの名前が明記されているだけである。


「………。」

…名前だけで届くなんておれは聞いた事がないぞ?
どんな有能な郵便屋でもさすがに無理だろ…。

でも……。

「…カヤの字……。」


何度見ても、それは間違ないなく本人の筆跡。
ウソップの疑問は深まるばかりである。

しかも、ナミの発言で気になる事がもう1つあり―――。


「これと誕生日が何の関係があるってんだよ?!」


今度は、先程から無言のままのナミへと視線を移した。






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