MUGIWARA

□9人いれば
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ダンッ!ダンッ!ダンッ!


「…あんた達、いつまでそうしてるつもり?」





日中の蒸し暑さと打って変わって、ほんのり涼しげになってきた夕刻。





「「「だってよォ…!!」」」





サニー号は暦通り残暑真っ只中の、夏島海域を航海中。





「まぁお前ら…これでも食って、頭冷やせ。な?」





芝生甲板では、5人の男女による平和な会話が繰り広げられていた。










「あらサンジくん、かき氷だなんて珍しいわね。」


普段より1時間程遅いおやつを持って来たサンジに、ナミが
少し意味を含んでそう言うと、サンジはその意図を察して眉を下げる。


「あははナミさん…別に手を抜いた訳じゃないよ?ただちょっと、ね。
こいつらのは適当に選んだが…ナミさんは何味のシロップにしますか?」

「……ミカン味、なんてのはある?」

「勿論♪あっちに戻ったら極上のミカンシロップをかけて持って来るよ。
…で、お前らは頭冷えたかよ?何ならオカワリもあるぞ?」


ナミはほんの少しだけサンジの言動に違和感を感じたが…
それよりもベルメールのミカンで作った特製のシロップに期待が膨らみ、
特に詮索するでもなく、そのまま男達のやり取りを見ていた。


「サンジ!おれ達をバカにするなよ!?
かき氷で騙されるかっ!!オカワリーッ!!」

「ルフィの言う通りだ!おやつで釣ろうったって無駄だ。オカワリ!!」

「おっ…おれもオカワリッ!!」


「………。」

しっかり釣られてるじゃない…。


ナミは言葉には出さないものの、半眼で目の前の3人を見つめる。


「…今度は何味のシロップが希望だ?
メジャーなもんは大抵揃ってるから何でも言ってみろ。」


サンジは気にせず、コックとしての仕事を続ける。






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