MUGIWARA
□アニキ
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「はぁ〜キウイ…モズ…弟達……。あいつら元気にしてっかなァ…。」
“甲板で海を見ながら、物思いに耽っている男が1人―――。”
“アロハシャツに海パンという奇抜なファッションだが、”
“外見とは似つかない繊細な心の持ち主、年は34。”
“ずっと一緒だった。”
“自分を兄貴と慕ってくれていた。”
“そんな可愛い妹分や弟分を泣く泣く残し、男は海に出た。”
“男には、やるべき事があったから………。”
「“そう、どんな海をも乗り越える船を
己で造り、確かめるために…ッ!!”」
「うぁああ〜〜!!淋しいぜ畜生ォ〜〜!!!子分達ィ〜〜!!」
「…フランキーうるせェよ!別れて1時間も経ってねェだろが……。
ウソップ、てめェも変なナレーション付けてんじゃねェよ…。」
近くで昼寝をしていたゾロが、呆れながら2人に言った。
「時間じゃねェんだよ…。お前には分かんないか…腹巻きだから……。」
「……腹巻き関係ねェし……。」
「そうだぜゾロ?別れの辛さってのに時間は関係ねェ!
残念だな…腹巻き故に、そこんとこ分かんないんだなァ…。」
「……だから腹巻き関係ねェし……。」
「おぅおぅ、兄ちゃん分かってるじゃねェか!鼻が長ェだけあるな!!」
「鼻は関係ねェよーーっ!!!!」
ズビシィ!!!
ウソップのツッコミが冴え渡る。
「それもそうだな!!あっはっは!!!」
「あっはっはっは!!!!」
「……お前ら、マジでうるせェ………。」
ウソップとフランキーの漫才染みた会話に疲れ、ゾロはその場を去る。
「ははは……あ!そうだ、おれウソップ工場本部の整理すんだった!
フランキー!ホントすげェ船造ってくれてありがとなっ♪じゃ、また!」
「オゥ!!」
ウソップもパタパタと走り去って行った。
甲板に残ったのは、フランキーただ1人―――。
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