貴方の恋、応援します

□狂歌懺悔
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何かが
自分の頬を伝った


上を見れば、広大な空が雲で埋め尽くされていて青一つ見えない。下を見れば血溜まりがあって、空から降る雨が地面に落ちては赤く染まっていった。額に手を添えると傷ででこぼこしていて、添えた手を見れば驚く程の大量の血が。そんなに重傷なのか私。再び空を見上げると雨さえも赤く見えた。ひざまづき、地面に両手をついて目が合った水面の自分。その額にはエクソシストである私にはあってはならない筈の紋様が刻まれていた。酷く動揺したが、きっと自分のどこかでは理解していたんだ。あぁ、私は


覚醒をして
しまったんだ。



有り得ないと思いつつも冷静でいられる自分が怖かった。不意に脳裏に過ぎる赤毛の彼の顔。探した。彼を探した。足元にはアクマの残骸、もはや地面には見えない程の大量の血。霞みゆく視界の中で必死に捜す。足に引っかかった何か。つんのめって倒れた私の下には無惨にも傷だらけの彼が居た。虫の息すらしていない彼の胸には大きな穴が空いていて、生きていない。そっか、そうなんだ。戦闘中の記憶がないのは自分が狂って暴走したため。だから自分以外は生きていないんだ。


私が 彼を 殺シタ



「迎えに来たよォ〜」




>(さぁ、神様)
(私に裁きの時間を)



目の前に現れた先端にカボチャを付けた傘を持った少女の姿。その額には私と全く同じ紋様が刻まれていた。





09.03.24

END.

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