貴方の恋、応援します

□弱さは隠したつもり
1ページ/1ページ



いつもニコニコ笑って
あなたの本当の顔は
どの顔?


あなた自身が14番目だと知った時は凄く悲しかった事でしょう。苦しかった事でしょう。もちろん、私も悲しかったし苦しかった。同時に辛くもあった。でも、それ以上に当事者のあなたが苦しんで当然の事。14番目の話を聞いた時、私以外にもみんなが心に違和感を覚えたはず。ルベリエ長官が言ったあの一言。


「ノアをしばらく飼う」


もちろん、ノアとは14番目ことアレンの事だろう。しかし、14番目は本当にノアなのか?"飼う"という言葉に少しばかりイラッときた人は私だけではない筈だ。リナリーだって凄く悲しそうな顔をしていた。仮にも14番目だとして、アレンは私達の大切な仲間だ。仲間を敵視するのは難しい。

「どうしたんですか?そんな難しい顔をして」

談話室のソファーに座り、膝を抱えていた私にアレンが話し掛けてきた。顔にはいつもと変わらない笑顔。果たしてその笑顔は本物か、偽物か。向かい側に座るアレンの動作を見る。目が合うとやはりニッコリと笑う。あんな事があって辛いだろうに。何故笑っていられるのだろうか。その笑顔を見る度に影では泣いていたりするのではないだろうか、と悲しくなってくる。

『アレンは、さ』

「はい」

『泣かないの?』

「…はい?」

だって14番目だとか言われて、今まで仲間だった人からも少なからず敵視されて、自身にだけ監視がついて。本当に私は苦しかったんだ。私がこれだけ苦しいんだから、アレンはどれくらい苦しいんだろう、悲しいんだろうって考えると想像が付かなくて、泣けてくるんだ。

「泣かないよ」

『な、んで』





(泣いたって)
(自分が弱くなるだけ)



それに、僕のためにそうやって君が泣いてくれるなら、それ以上に嬉しい事はないよ。こんな僕のためにありがとう、ありがとう。今の内に幸せを噛み締めておこう。




09.04.04

END.


title by teeny world


.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ