貴方の恋、応援します
□放たれた願い
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星々が連なる
天の川
一つ一つ単独の星は小さくて、少しでも雲が掛かると隠れてしまうが、こういう風に集団に集まった星は広い空に存在感がある。隣に座る君は天の川に負けないくらい目を輝かせて空を見上げている。毎年この時期になると街が賑やかになり、所々お祭りが行われていたりするのだ。
「もう七夕の季節さね」
『うん』
空を見上げ二人、ベランダに並ぶ。微妙な距離は触れたくても触れられない証拠。握れそうで握れない小さな手は、届く筈のない空に向かってめいいっぱい伸ばされている。空気を掴むのがオチなのに、伸ばす事をやめない彼女の腕は疲れから徐々に震えていく。やっと伸ばすのを止めたと思ったら不意に掴まれた手。思わず顔が熱くなる。夏の始めだというのに、伝わる体温は心地よい。
『短冊吊しに行こうよ!』
「お、おう!」
まるで子供の様にぐいぐいと力強く俺の手を引く彼女に俺はついていった
彼女の願いは?
-Her wish?-
放たれた願い
(それはちょっとした)
(君への気持ち)
流れ星とか天の川とか叶った試しがないけれど、たまにはいいかな、なんて思った。(だって、君が無邪気に笑うから!)
09.07.10
END.