ボンゴレ島物語

□0、全ての始まり
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海上を走る船の上うとうととしていた少女は、眠気が途切れたのか目を覚ました。
「おう、嬢ちゃん。もうすぐ着くぞ」
親しみやすい船長がそれに気付いて声をかける。
少女は、ゆるやかな動きで身体を起こすと先ほどまでは何も見えなかった海上に突如として現れたそれに視線を向けた。
緑に囲まれた大きいとは言いがたい島。
それでも大きな包容力を感じる。
「はひ〜・・・小さいのに大きいです」
要領の得ない言葉を発したのに船長には意味がわかったのか豪快に笑った。
「そりゃそうさ。この島には7人の神様が住んでいらっしゃるからな」
島には神の恩恵がたっぷりと注がれているのだと船長は言う。
「神様の恩恵・・・お父さんがここを選んだのもわかる気がします」
少女は突発的な行動を良く起こす父を、そして自分が今海の上にいて、目前の島を目指すことになったのかも思い出しため息をついた。
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