ボンゴレ島物語

□2、島の人々
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町長たる九代目の屋敷を出るとツナヨシは町の案内をしてくれると言った。
「いいんですか?」
「最初に案内するって言っただろう?これからは島に住む仲間なんだから遠慮するなよ」
「では、お願いします」
ぺこりと感謝の意も込めて頭を下げるとツナヨシは、まかせて、と笑った。
「じゃあ、手始めに町長の屋敷の目の前の建物なんだけど」
ツナヨシに言われて町長の真向かいの建物を見る。
木造造りだが、ステンドグラスがきらきら光り、赤い屋根と毎日手入れをされているであろう鐘がぴかぴかと輝いている。
「教会ですか?」
「うん。あ、ちょうどいいところにリョウヘイ神父!」
咲き誇る花に水をやるところだったのだろう。
ジョウロを手にして外に出てきた青年をツナヨシが呼んだ。
神父の衣装に身を包んだ青年は、む?、と小さな声を出して振り返った。
「おお、ツナヨシではないか。どうしたんだ?」
そう問い、ツナヨシの隣にいるハルを見てほほう、と一人何かを納得した。
「いつの間に嫁をとったんだ?結婚式の日取りを決めないとな」
「はひっ!?」
「ちょ、リョウヘイ神父。違います!!」
見事な誤解をして満面笑顔を浮かべる彼にハルは顔を真っ赤にし、ツナヨシは慌てて訂正を入れる。
ツナヨシの訂正を聞いたリョウヘイは、つまらん、と呟いた。
「まあ、何より。良く来たなハル。ジョットさん達には良くしてもらっていたからな。何かあったら来るんだぞ。相談に乗るからな」
「はい!よろしくお願いします」
にこにこ笑うリョウヘイに見送られ二人は歩き出した。
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