ボンゴレ島物語

□17、幸せ
1ページ/2ページ

試練が終わりツナヨシは認められたとジョットとダニエラは告げた。
もう今回のようなことも起こらないと。
「ハル、待った?」
白い雪が辺りを覆う中でハルは急いできたのだろうツナヨシに「いいえ」と答える。
「それでお話しってなんですか?」
「うん。場所移動しようか」
「はい」
ツナヨシに促され歩く道は何度も彼と歩いた場所。
何度歩こうとも新鮮に感じるのはどうしてか。
幸せに満たされるのはどうしてか。
他愛ない話しをしながら辿り着いたのはいつか来た女神の花が咲き誇る場所だった。
今は咲いていないがそれはそれで別の顔があり綺麗だとハルは思う。
「昨日、見つけたんだ」
言ってツナヨシがしゃがむのに合わせてハルもしゃがんだ。
積もった雪をツナヨシが払う。
あらわになったのは雪の白に映える赤い花。
「あ・・・」
赤い花をそっとつんだツナヨシがハルへと差し出す。
「ハル。俺と結婚してください」
震える手でツナヨシの手に自分の手を重ねハルは頷いた。
嬉しすぎて言葉が出ない。
「お願い、しますっ」
やっと出た言葉に腕を強くひかれハルはツナヨシに抱きしめられていた。
それは冬が終わりに近づいた日の出来事。


やがて雪が解け春を迎えた頃。
ボンゴレ島に祝福の鐘が鳴り響き、幸せそうに笑うハルとツナヨシが沢山の人に祝福されていたのだった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ