ボンゴレ島物語
□0、全ての始まり
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「嬢ちゃん、着いたぞ!」
「へ?あ、ありがとうございました!!」
回想に浸っていたハルは、船長の声に我に返ると頭を下げて慌てて船を飛び降りた。
家の乗っている地図を手に島唯一の町を抜ける。
山のふもとにそれはあった。
《ハル牧場》。
看板にはそう掲げられていて、はっきり言って恥ずかしい。
「お父さん!!」
鍵が開いていたからてっきりいるものだと思い、勢い込んで扉を開けたが室内はシーンとしていた。
「は、はひ?」
人の気配はなく開けはなれた扉から風が舞い込み机の上の紙を揺らす。
「まさか・・・」
ハルの行動的な性格は母よりも父に近い。
思い立ったら即行動。
ということはだ。
机の上で存在を知らしめるかのように揺れるメモ用紙を手にする。