ボンゴレ島物語

□1、出会い
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元気良く牧場を飛び出したハルは、牧場の前でこちらへ向かってきている少年に気付き足を止めた。
少年もハルに気付き笑顔を浮かべる。
「良かった。もういなくなってたらどうしようかと思った」
優しく柔らかな笑顔にハルの鼓動が跳ねる。
(はひ・・・お父さんみたいな人です)
突飛な行動が多いがとても優しい父に少年はそっくりで意外に人見知りのハルにしては珍しく緊張はしていない。
別の意味で心臓はうるさいが、今のハルにそんなことを考える余裕はない。
「ジョットさんとダニエラさん、数日前に旅に出ていないから」
「知ってます」
「そうなの?」
「はい。お父さんから旅に出るから牧場を頼むって連絡があってここに来ましたから」
頷いて答えると少年は目を丸くした。
「え?お父さんって・・・え?え?ジョットさんとダニエラさんの娘!?」
「そうですよ。ハルと申します」
「うわぁ・・・まだ子供いないのかと思ってた・・・」
「お父さんもお母さんも年齢不詳ですからねぇ」
「うん・・・あ、ごめん。失礼だな」
「いいえ。それよりお名前教えていただけますか?」
この島に来て初めて出会う同年代の少年に友達に慣れそうだと思い名前を聞く。
「俺はツナヨシ。ええと、ハルはこれからここに住むんだよな?」
「そうですよ」
「じゃあ、よろしくな。困ったことがあったら言えよ?出来ることは手伝うから」
「はい!よろしくお願いします!!」
嬉しくてハルは満面の笑みを浮かべ応えたのだが、何故か急にツナヨシの顔は赤くなっていた。
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