ボンゴレ島物語

□1、出会い
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町長たるツナヨシの祖父が住まう家は屋敷といえばそうだが、品が良く嫌味がない。
なによりも風景に溶け込み、共にある感じが素敵だとハルは思った。
家の中も優しい色合いで纏められておりどこか安心感がある。
本来なら緊張するはずなのだが、家の中の雰囲気と一緒にいるツナヨシのお蔭でリラックス出来ていた。
さすがに外出から帰った町長を前にしたときは緊張したが。
「九代目。ジョットさんとダニエラさんの娘さんでハルさんです」
「はじめまして、ハルと申します」
「よく来たね。私はボンゴレ島の町長をしている。皆からは九代目と呼ばれている」
ツナヨシの祖父というのが頷けるとハルは思う。
どこまでも慈悲深い優しく、あたたかな瞳と笑顔は人に安心を与える。
彼は、人に慕われているだろう、ツナヨシもきっと。
「ジョットからは話しは聞いているよ。牧場を引き継ぐとか」
「そうなんです!勝手に決められて、急なことだったので作業の仕方とかがわからなくて・・・あの、教えていただけませんか?」
「そうだねぇ・・・」
お願いします、と頼み込むハルを見てから九代目はツナヨシを見る。
視線がかち合い、にこりと九代目は微笑んだ。
ハルは、優しい笑顔だとだまされるだろうが身内のツナヨシにはわかる。
余計なことを思いついた顔だ。
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