ボンゴレ島物語

□3、初カブ
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呼ばれている。
深い眠りについた意識の奥までその声は響き、ハルは目を覚ましていた。
不思議な場所だった。
白い石で出来た神殿のような場所に清らかな水は揺らめき、その中心に枝を広げ全てを包み込むように葉を茂らせた大樹。
幻想的で神秘的で。
それでもどこか母を思い出すようなあたたかさを持つ場所にハルは立っていた。
「合格、か」
声がして後ろを振り向けば、それぞれ特徴のある赤子のような人物が七人。
その七人のうち紅一点であろう女の子は、ハルがあの日森で見た子供だった。
「あなたは」
驚くハルに女の子は微笑む。
幼い子にしては慈悲深い瞳の輝きにハルは、何かを感じた。
「《声》に良く反応したな」
感心したように言うのは全身を黒で埋める子である。
「あの、夢ですか?」
「夢であり夢ではないってとこだ」
「???」
「無理に理解しなくてもいいぞ。それより俺達の話しを聞け」
「良くわかりませんけど、わかりました」
ハルが頷くと黒の子以外の姿が消えていった。
まるで用は終わったとばかりに。
「このボンゴレ島には七人の神がいると聞いたな?」
「船長さんがそんなことおっしゃってました」
昨日のことを思い出す。
確かに船長はそんなことを言っていた気がする。
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