ボンゴレ島物語

□3、初カブ
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目を開ければ安堵したような表情のツナヨシの姿がうつった。
「おはよう、ハル」
「ツナさん?」
「うん。やっぱり疲れた?」
「はい、でも大丈夫ですよ」
「そっか。鍵あいてたから勝手に入ったけど・・・ごめんな。呼んでも返事なかったから心配になってさ」
本当にすまなそうに謝るツナヨシにリボーンの心配している、と言った言葉が蘇る。
彼のことを言っていたのだろう。
「ご心配かけてすみませんでした」
「無事で良かった。今日はもう休む?」
「いいえ、行きますよ!ツナさんとのデート楽しみです」
無邪気にそう言うハルとは違いツナヨシは顔を真っ赤にして慌て出した。
「そ、そ、そんなデートだなんて」
種を買うだなんて、デートならツナヨシももっと気合を入れる。
まあ、多少そんな気分でも合ったのだが。
「男の子と遊ぶのは全部デートと言うんだってお父さんが言ってました。違うんですか?」
父の言いつけで男の子と遊ぶイコールデートと思い込んでいるハルにツナヨシは、がくりと肩を落とした。
彼女の発言に甘い響きはなかったらしい。
(ハルが可愛いのはわかるけど・・・何教えてんですか、ジョットさん!!)
今は異国の地にいるであろう人物にツナヨシは文句を言う。
届かないだろうが思わずにはいられなかった。
「何がありますかね」
楽しみなのだろう、スキップしそうな勢いで前を歩くハルに笑みが零れる。
「今ならキャベツかな。イチゴもあると思うよ」
後は、と春の作物の名前をあげていく。
ハルは、目を輝かせてそれを聞いていた。
ランボの店でハルはイチゴと他数種類の種を買い、夕食を食べてからツナヨシと分かれたのだった。
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