ボンゴレ島物語

□3、初カブ
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ハルが始めて種を植えた日から数日。
カブは順調に成長をし、芽を出し双葉になり、そして今。
黒い土から白い身を見せていた。
「はひ、出来ました」
大事に大事にそれを収穫する。
まだ味はわからないが、初めて出来たそれが嬉しい。
「嬉しいです!」
手塩をかけたカブに汚れることも構わずに頬を摺り寄せていると目前にきらきら光る欠片が現れた。
「《恩恵の玉》です!」
カブを持っていない手を差し出せば、欠片はハルの手におさまった。
「良くやったな」
ふいに聞こえた声に下を見ればリボーンがそこにいた。
「欠片が出てくれば回収に来るってこと伝え忘れてたか」
驚いたハルを見てリボーンは笑う。
「ハル、欠片を」
「あ、はい。どうぞ」
「悪いな。じゃあ、がんばれよ」
ひらりと手をふるとリボーンは景色と同化するようにして消えた。
それを唖然と見ていたハルだが、腕の中の重みを思い出して我に返る。
じっとカブを見つめた後、にんまりと笑った。
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