ボンゴレ島物語

□7、自覚
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「悩み事か?」
幼い声が聞こえ下へと視線を動かせばリボーンがそこにいた。
「リボーンちゃん」
「久しぶりだな。ハル」
「お久しぶりです。リボーンちゃん」
ハルはしゃがんでリボーンと視線を合わせ挨拶をする。
リボーンは、にっと子供らしからぬ笑みを浮かべた。
「今日はどうしたんですか?」
「報告をな」
「報告ですか?」
「ああ。ハルのお蔭で順調に《恩恵の玉》の欠片が集まっているからな」
「本当ですか!?」
リボーンの言葉にハルの顔がぱっと輝く。
それにリボーンは微かに笑った。
悩んで沈んだ表情よりも笑顔の方がハルらしい。
「本当だぞ。これは俺達からのご褒美だ」
ふわっと風がハルを包む。
手を出せ、と言われ素直に出していると掌に可愛らしい花の飾りがのった。
「はひ!魔法です!」
ミラクルです、ファンタジーです、と楽しげに笑うハルを見てリボーンの瞳が懐かしげに細められる。

―・・・ふふ、綺麗でしょう?

遠い日の、あの声と笑みが目前の少女と重なって見えた。
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